
August 24, 2026
Thermalytica、シリーズAラウンドで4.4億円を調達
新たなブランド戦略のもと、次世代断熱材料「tiisa®」の量産化とグローバル展開を加速 ~D4V、三菱UFJキャピタル、みやこキャピタル、Wistron、シンガポールのエンジェル投資家が出資。世界規模での熱マネジメント市場への展開へ~
株式会社Thermalytica(本社:茨城県つくば市、以下「Thermalytica」)は、このたびシリーズAラウンドにおいて総額4.4億円の資金調達を完了したことをお知らせいたします。
本ラウンドでは、D4V(Design for Ventures)をリード投資家として、三菱UFJキャピタル株式会社、みやこキャピタル株式会社、Wistron Corporation、ならびにシンガポールのエンジェル投資家より出資を受けました。
今回調達した資金は、世界でも類を見ない超断熱材料tiisa®(Thermal Insulation Inflatable-Solid Air)の量産化に向けた製造体制の強化、用途開発および事業開発の推進、国内外における販売展開の加速、ならびに事業成長を支える経営・事業開発・営業人材の採用強化に活用してまいります。
また、今回の資金調達に合わせて、D4Vおよびデザイナーのアシュリー・シュカウスキー氏(東京を拠点とする英国出身のデザインディレクターで、D4Vとは過去にも協働した実績を持つ)とのパートナーシップのもと、企業ブランドおよび製品ブランドの刷新、新ウェブサイトの公開を行いました。今後のグローバル市場での事業展開を見据え、Thermalyticaが提供する技術価値をより明確に発信し、顧客、パートナー、投資家、そして将来の仲間との関係構築をさらに強化してまいります。

Thermalyticaが研究開発中のエアロゲル素材
資金調達の背景および目的
Thermalyticaは、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)発のディープテックスタートアップとして、2021年に設立されました。
同社が開発するtiisa®は、99.4%が空気で構成されるシリカエアロゲル系の超断熱材料であり、独自のナノ構造設計により、優れた断熱性能と柔軟性を両立した次世代の熱マネジメント材料です。
従来の断熱材料では対応が困難であった高性能断熱領域において、建築物や産業設備の省エネルギー化、液体水素の貯蔵・輸送など次世代エネルギーインフラ、電池の熱暴走対策、AIデータセンターの熱管理、半導体・電子機器分野における熱制御、自動車・モビリティ分野、航空宇宙分野など、幅広い産業への応用が期待されています。
これまでThermalyticaは、tiisa®の研究開発および産業応用に向けた技術検証を進め、国内外の企業との実証プロジェクトを通じて市場展開の可能性を広げてきました。
具体的には、タイのCPF社養鶏施設における断熱実証、インドネシアのPhilips社工場における産業熱マネジメント実証、UNIDO(国連工業開発機関)のグリーン産業復興プログラムへの参画、AIデータセンター向け熱マネジメントソリューションの検討など、さまざまな分野で社会実装に向けた取り組みを進めています。
今回の資金調達を通じて、研究開発フェーズから事業成長フェーズへの移行を加速し、tiisa®を安定的に供給可能な量産体制の構築と、グローバル市場への展開を推進してまいります。

今後の展望
今回の資金調達を通じて、Thermalyticaはtiisa®の量産体制構築とグローバル市場での事業成長を加速してまいります。
まず、増加する国内外からの需要に対応するため、製造技術の高度化、生産能力の拡大、および安定供給可能な量産体制の確立を進めてまいります。同時に、各産業分野におけるニーズに対応するため、tiisa®の用途開発および技術開発をさらに推進し、より多くの市場への展開を目指します。
これにより、建築・産業設備向け断熱、液体水素インフラ、電池安全対策、AIデータセンター、半導体・電子機器、自動車・モビリティ、航空宇宙など、エネルギー効率向上や高度な熱制御が求められる幅広い分野への社会実装を加速し、省エネルギー化や脱炭素化の推進、さらには社会や産業インフラの強靭化に貢献してまいります。
また、日本を基盤としながら、東南アジアを含む海外市場への展開を本格化します。各地域のパートナー企業との連携を強化し、現地の産業課題に応じた熱マネジメントソリューションを提供することで、世界規模でのエネルギー効率向上と持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
さらに、事業成長を支えるため、経営、事業開発、営業を担う人材の採用を強化し、グローバル市場で事業を推進できる組織体制の構築を進めてまいります。
なお、今回刷新した企業ブランドおよび製品ブランドは、グローバル市場におけるThermalyticaおよびtiisa®の価値をより分かりやすく発信し、顧客、パートナー、投資家、人材との信頼関係を構築するための重要な基盤として活用してまいります。本プロジェクトでは、「経験豊富で信頼できる存在として映ること」「複雑な技術をよりシンプルに説明すること」「自らが実現しようとする未来にふさわしい、大きな志を持つ組織として提示すること」という3つのコミュニケーション目標を掲げてブランドシステムを構築しました。tiisa®の新しいロゴには、熱が移動する様子を表す浮遊する粒子、tiisa®が取りうる様々な有形の形態を象徴する立方体の「コンテナ」、そして日本で生まれ製造されていることを示す色使いという、3つの特徴が視覚化されています。

Thermalyticaとtiisa®のロゴ:変更前と変更後
経営株主のメッセージ
このたびのシリーズA資金調達にあたり、ご出資いただいたD4V様、三菱UFJキャピタル様、みやこキャピタル様、Wistron様、ならびにシンガポールのエンジェル投資家の皆様に心より感謝申し上げます。
Thermalyticaは、NIMS発のディープテックスタートアップとして、世界でも類を見ない超断熱材料tiisa®の研究開発と、その産業応用に向けた技術検証に取り組んでまいりました。
これまで培ってきた材料技術を社会実装につなげるためには、優れた技術を開発するだけでなく、その価値を安定的に供給可能な製品として、多くのお客様へ届ける事業基盤を構築することが重要であると考えています。
今回の資金調達は、tiisa®の量産化に向けた製造体制の強化、用途開発および事業開発の推進、国内外での販売展開を加速するための大きな一歩となります。今後は、供給能力の拡大、顧客基盤の拡充、海外市場への展開を通じて、事業成長と売上拡大を実現してまいります。
また、ディープテック企業として世界市場で成長するためには、技術そのものの価値だけでなく、その可能性を顧客、パートナー、投資家、そして将来の仲間に正しく伝えることも重要であると考えています。
今回刷新した企業ブランドおよび製品ブランドは、Thermalyticaの技術価値をより明確に発信し、グローバル市場での事業展開を支えるための重要な進化となります。
投資家の皆様には、資金面でのご支援に加え、事業ネットワークや専門的な知見を通じて、製造体制の強化、事業開発、海外展開、人材採用など多方面から成長を支援いただいております。
Thermalyticaは、次世代の熱マネジメント材料を通じて、世界中の産業におけるエネルギー効率向上と持続可能な社会の実現に貢献する、グローバルな材料技術企業へと成長してまいります。
― 株式会社Thermalytica 創業者・CTO ウー ラダー

投資家からのコメント
D4V

D4V(Design for Ventures) ダヴィデ・アニェッリ(ファウンダー)、太田明日美(パートナー)
D4Vが追求するのは、優れた実行力を伴うことで産業そのものをアップデートするテクノロジーです。Thermalytica社はまさにその稀有な組み合わせを体現しています。革新的な材料科学、明確な商用化への道筋、そしてグローバルビジネスを構築できるチームを備えています。私たちは、エネルギー、コンピューティング、高度な製造業など、あらゆる分野で効率的な熱マネジメントが不可欠となる未来において、tiisa®がその基盤インフラとなり得ると確信しています。この重要な成長段階において同社と共に挑戦できることを大変誇りに思います。
みやこキャピタル株式会社

みやこキャピタル株式会社 何 鋭(パートナー)
この度、Thermalytica社がグローバル展開を加速させるタイミングで出資させていただけたこと、大変嬉しく思っております。
同社は、日本発・世界トップレベルの基礎研究の成果を活かしながら、市場形成に時間を要する液体水素関連等の先端用途に先行して、建物や産業設備の省エネルギー化向け製品においてPMFを実現し、複数の大手事業会社との協業を通じて更なる事業成長の基盤も構築できました。素材系スタートアップとしては数少ない好事例だと高く評価しており、今後の一層の飛躍を大いに期待するとともに、全力で支援してまいります。
株式会社Thermalyticaについて
Thermalyticaは、2021年4月に国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)からスピンアウトして設立されたディープテック企業です。
独自の材料技術を基盤に、高性能な熱マネジメント材料の研究開発・製造・販売を進め、エネルギー効率向上および脱炭素社会の実現に貢献することを目指しています。
主力製品であるtiisa®は、特許取得済みのシリカエアロゲル系超断熱材料であり、建築物・住宅向け断熱、産業設備の省エネルギー化、液体水素関連インフラ、電池熱暴走対策、AIデータセンター、半導体・電子機器、自動車・モビリティ、航空宇宙分野など、幅広い用途への展開を進めています。
Thermalyticaは、2023年にSLINGSHOT Grand Winnerを受賞し、2024年にはKPMG Global Tech Innovator CompetitionにおいてGrand Winnerに選出されました。その後、2025年にはSoutheast Asia Capital Access Program Grand PrizeおよびOIST Lifetime Startup Elevate Best Pitch Awardを受賞するなど、国内外で高い評価を獲得しています。
また、NEDOやJSTなど日本の主要な公的機関から支援を受けるとともに、経済産業省「J-Startup」に選定されています。

会社名:株式会社Thermalytica 事業内容:高性能熱マネジメント材料の研究開発・製造・販売 設立:2021年4月 代表取締役:大槻智洋 創業者・経営株主:ウー ラダー(Rudder WU) 所在地:茨城県つくば市桜3-13 URL:https://www.thermalytica.com/